
〜今押さえておきたい製薬業界の世界の動き〜
早いもので、2025年も残すところあと2か月。世界の製薬業界では、価格政策、提携、画期的な治療法の登場など、年末に向けて動きが加速しています。今回は、事業開発・マーケティング部門の皆さま、そして製薬業界に関心を持つ投資家の方々に向けて、今知っておきたい10のトピックスをまとめました。
1. トランプ政権、アストラゼネカと薬価引き下げで合意
米国では、トランプ大統領がアストラゼネカと薬価引き下げに関する合意を発表。ファイザーに続く2社目で、最大80%の割引価格でのDTC販売が義務付けられました。患者負担軽減と製薬企業の対応力が問われる局面です。
2. エーザイのアルツハイマー治療薬、TIME誌「2025年の発明」に選出
皮下注オートインジェクター製剤「LEQEMBI IQLIK」が、TIME誌の「THE BEST INVENTIONS OF 2025」に選ばれました。認知症領域のイノベーションとして、グローバルな注目を集めています。
3. サノフィ、国立感染症研究所と感染症対策で協力覚書を締結
パンデミック以降、感染症領域の連携が加速。サノフィは日本の国立機関と研究開発・対策強化に向けた覚書を交わしました。官民連携のモデルケースとして注目です。
4. 中外製薬、持続性GLP-1/GIP受容体作動薬「CT-388」の導入契約を締結
肥満症・糖尿病領域での新薬導入が進行中。中外製薬はロシュからCT-388を導入し、国内展開に向けた布石を打ちました。メタボリック領域の競争が激化しそうです。
5. 田辺三菱製薬、抗CD19抗体「ユプリズナ」全身型重症筋無力症への適応追加申請
免疫疾患領域での適応拡大が進行。田辺三菱製薬はユプリズナの新たな適応症追加を申請し、治療選択肢の拡充を図っています。
6. アステラス製薬、膵腺がん治療薬「ビロイ」P2試験で主要評価項目未達
がん領域では厳しい結果も。アステラスの「ビロイ」はP2試験で主要評価項目を達成できず、今後の開発戦略が注目されます。
7. ノボ ノルディスクと住友ファーマ、肥満症治療薬「ウゴービ」でプロモーション提携
肥満症治療薬市場での協業が進展。両社は国内展開に向けたプロモーション提携を発表し、マーケティング戦略の強化を図っています。
8. 初の塗る遺伝子治療薬「バイジュベックゲル」、薬価収載へ
遺伝子治療の新たな形として、塗布型の「バイジュベックゲル」が登場。薬価収載が決まり、患者の利便性と治療の可能性が広がります。
9. CAR-T療法、日本市場で複数投入へ
米カイト社などが日本市場に複数のCAR-T療法を投入予定。細胞治療の普及が進み、治療の選択肢が拡大しています。
10. 武田薬品・ノボノルディスク、細胞治療部門から撤退
一方で、細胞治療領域からの撤退も。武田薬品とノボノルディスクは同部門の人員削減を発表し、選択と集中の戦略が鮮明になっています。
年末に向けて、価格政策、提携、治療法の革新など、製薬業界はまさに「選択と集中」のフェーズに入っています。事業開発やマーケティングの戦略立案、投資判断の参考に、ぜひご活用ください。