
◇はじめに:マーケティングの「型」を超えるには
マーケティングの仕事を25年も続けていると、自然と自分なりの「型」ができあがってきますよね。私自身も、空手でいうところの「ナイハンチ」のように、身体に染み込んだ動きのような思考パターンがあると感じています。
でも、空手には「分解」という考え方があります。型を一手一手に分解して、状況に応じて最適な技を組み立てる。マーケティングもまさに同じです。AIという新しいパートナーと壁打ちしながら、自分の「型」を分解し、仮説を立てて、次の一手を編み出す。これが、AIと共創するマーケティングの本質だと感じています。
この記事では、AIと協働してマーケティング施策を設計・実行するための「プロンプト設計」と「編集力」について、実務で使えるステップとともにご紹介していきます。
◇AIと共創するマーケティングとは?
AIは「壁打ち相手」であり「編集パートナー」
生成AIは、単なる自動化ツールではありません。マーケターの思考を可視化し、仮説を検証し、施策を磨き上げる「壁打ち相手」であり、アウトプットの質を高める「編集パートナー」でもあります。
AIとの対話を通じて、自分の思考を分解し、再構築する。これは「型破り」ではなく、「型の再設計」なのです。
◇プロンプト設計が施策の質を決める
プロンプトは「設計図」
プロンプトとは、AIに対する指示文のことですが、単なる問いかけではありません。施策の目的や背景、制約条件、期待するアウトプットの粒度などを含んだ「設計図」なのです。
CRAFTの法則でプロンプトを設計する
以下は、プロンプト設計に役立つ「CRAFTの法則」をHTMLテーブルでご紹介します。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| C:Context | 背景や目的を明示する |
| R:Role | AIに担わせる役割を指定する |
| A:Action | 具体的な指示を与える |
| F:Format | 出力形式を指定する |
| T:Tweak | 制約条件や調整ポイントを加える |
◇編集力がExecutionの質を左右する
AIの出力は「素材」
AIが生成するコンテンツは、あくまで「素材」です。そのまま使えることもありますが、多くの場合は編集が必要になります。編集とは、目的に照らして取捨選択し、構造を整え、文脈を加える作業です。
編集の3ステップ
- 目的との照合:出力が施策の目的に合っているかを確認します
- 構造の再設計:情報の流れや見せ方を整えます
- 文脈の追加:業界知識や自社の状況を加味して補足します
この編集力こそが、AIと共創する施策のExecutionの質を左右するのです。
◇実務で使えるプロンプト設計術(ステップ解説)
ステップ1:ターゲットと目的を明確にする
例:「40代男性、糖尿病予備軍向けの啓発キャンペーン」
目的:「生活習慣改善を促す動画広告の企画」
ステップ2:AIに役割を与える
例:「あなたは医療広告のクリエイティブディレクターです」
ステップ3:出力形式と制約条件を指定する
例:「30秒動画の構成案を、ナレーション・映像・CTAの3項目で提示してください」
ステップ4:数値データやオリジナル情報を加える
例:「2024年の糖尿病予備軍は全国で約1000万人。平均年齢は47歳」
◇施策実行までの流れとAI活用ポイント
以下は、マーケティング施策の各フェーズにおけるAI活用のポイントをHTMLテーブルでまとめたものです。
| フェーズ | AI活用ポイント |
|---|---|
| 企画立案 | アイデア出し、競合分析、ペルソナ設計 |
| コンテンツ制作 | キャッチコピー、構成案、ビジュアル指示 |
| 実行・検証 | KPI設計、A/Bテスト案、改善提案 |
| レポート作成 | サマリー、グラフ生成、次回施策提案 |
◇50代マーケターがAIと共創するために~経験を「型」として活かし、分解する~
50代のマーケターは、豊富な経験という「型」を持っています。その型を分解し、AIとの対話に落とし込むことで、次世代の施策が生まれます。
問いの質が、AIの返答の質を決めます。だからこそ、プロンプト設計力が重要なのです。tお
◇ということで。~AIと共創する未来へ~
AIは、マーケターの思考を加速させ、施策の質を高めるパートナーです。でも、その力を引き出すには、問いの設計と編集の技術が欠かせません。
「型」を分解し、AIと壁打ちしながら、次の一手を編み出す。そんなマーケティングの未来を、私たちは今、共に創っているのだと思います。
◇シリーズ構成と今後のテーマ
次回は、「50代マーケターのキャリア再設計とAI活用」。思いついたらどんどんポストしていきますので乞うご期待!
- LLMって何だっけ?
― AI時代の入り口に立つマーケターの視点 - AIと共創するマーケティング施策の設計術(本記事)
― 実務でどう使う?プロンプト設計と編集のリアル - 50代マーケターのキャリア再設計とAI活用(次回)
― 経験を“資産”に変える働き方とは - AI時代のチームマネジメントと育成論
― 若手とどう向き合い、どう導くか? - AI時代の知見を共有する場づくり
― 私がなぜこのメディアを始めたのか