私がまさにそうなのですが、マーケティングや事業開発の世界で長年活躍してきた方々にとって、50代はまさに「次の一手」を考えるタイミングだと言いたくてこれを書いてます。これまで、営業支援や広告企画、戦略立案を通じて事業の成長に貢献してきた方ならなおさら、「この先、自分はどう働くべきか」「どんな価値を提供できるか」と自問する時期でもあります。(と、自分に言い聞かせながらこれを書いています。と、2回言ってみる(笑)) とはいえ、現実はなかなか厳しい。家庭の事情、子育てや教育費、住宅ローン、親の介護、そして自分自身の健康。企業に所属していれば、肩たたきや役職定年など、避けられない変化もあります。ですね。40代から始まってますが、まぁ昨今の不透明な世界・経済情勢の中、私は40代だけで4回会社代わってますし。(笑) でも、だからこそ今こそ「キャリアの再設計」が必要なのです!50代はキャリアの終章ではなく、むしろ“経験という資産”を活かせる絶好のタイミング!特にB2Bビジネスにおいては、若手にはない視座と実行力が求められています。求められているんです!はい。 ◇ B2Bマーケティングの現場で求められる「50代の力」 B2Bの世界では、単なる広告やキャンペーンではなく、事業戦略と連動したマーケティングが重要です。つまり、営業との連携、顧客との関係構築、業界構造の理解、そして経営層との対話力が問われます。 これらは、若手にはなかなか身につかないスキル。だからこそ、50代のマーケターには以下のような価値があります: 特に、事業開発や広告企画のバックグラウンドを持つ方であれば、単なる「施策屋」ではなく、「事業成長の設計者」としての役割が期待されます。 ◇製薬業界におけるマーケティングの可能性 というわけで、わたくしが現在いる製薬業界。製薬業界では、製品の価値を医療従事者にどう伝えるか、患者にどう届けるかが重要。ここに、50代のマーケターの「戦略的思考」「営業との連携力」「業界理解力」が活きてきます。 まさに50代マーケターが活躍できる環境がこの業界にはあります。 また、製薬業界は高齢化社会の中で成長が見込まれる分野。50代になると医療・ヘルスケアに関心がない人はいないでしょうから、社会貢献性も高く、やりがいのあるフィールドであるといえます。 ◇50代からのキャリア構築のヒント だんだん自分向けの応援記事になってきたので・・・本題にもどり、では、50代は具体的にどうキャリアを再設計すればよいのでしょうか。以下のステップが参考になります: 1. 自分の「強み」を棚卸しする 2....
創薬の世界は、まるで複雑なパズルのようです。ターゲットとなる疾患や分子を見つけるところから始まり、臨床試験を経て、最終的に患者の手元に届くまでには、長い年月と莫大なコストがかかります。特に近年では、低分子・中分子・高分子といったモダリティの多様化により、創薬のアプローチも複雑化しています。そんな中で、創薬の成功率を高め、期間を短縮し、コストを削減する鍵となるのが「臨床開発におけるデータとテクノロジーの活用」です。 ◇創薬の平均的な期間とコスト:モダリティ別・疾患別の傾向 創薬は一般的に以下のステップを経て進みます: ◇創薬にかかる平均期間◇ ◇創薬コストの目安(1製品あたり) 疾患別では、がんや希少疾患は患者数が限られるため、臨床試験の設計が難しく、コストが高騰しがちです。一方、糖尿病や高血圧などの慢性疾患は患者数が多く、試験設計が比較的容易ですが、競合製品が多いため差別化が求められます。 ◇ 臨床開発の成功を左右する「サイト・KOL・患者選定」 創薬の中でも、臨床開発は最も時間とコストがかかるフェーズです。特にPhase 2・3では、数百〜数千人の患者を対象に試験を行う必要があり、適切な病院(サイト)と責任医師(KOL)、そして患者のリクルーティングが成功の鍵を握ります。なぜ「適切なサイト・KOL・患者選定」が重要なのか? ◇ビッグデータとAIによる臨床試験設計の革新ここで登場するのが「世界中のサイト・病院・KOL・患者データベース」と、それを解析するAIや機械学習の技術です。これらを活用することで、以下のようなメリットが得られます: ◇ 臨床開発の短縮によるコスト削減効果 臨床試験の期間を1年短縮できた場合、どれくらいのコスト削減につながるのでしょうか? ◇創薬における「データとテクノロジー」の重要性 創薬の初期段階では、ターゲット分子の選定やスクリーニングにAIが活用されるようになっています。例えば、疾患の原因となる遺伝子やタンパク質を解析し、最適な化合物を設計するプロセスでは、膨大な論文データやゲノム情報が活用されます。しかし、創薬の成功率を最も左右するのは「臨床開発」です。ここでのデータ活用こそが、創薬の未来を変える鍵となります。 ◇創薬の未来は「臨床開発のデータ活用」にあり!...
B2Bマーケティングにおいて、ターゲティング広告やリードジェネレーション施策の成果を左右するのが「バナー画像の質とスピード」です。これまで外部のデザイナーや制作会社に依頼していた画像制作も、AI画像生成ツールの登場により、インハウスで迅速かつ低コストに対応できる時代が到来しました。 この記事では、B2Bマーケターが自社内でバナー制作を行う際に活用できる画像生成AIツールを、特徴・使い方・価格とともに紹介します。 ◇なぜ今、インハウスで画像制作なのか? ◇B2Bマーケター向けおすすめ画像生成AIツール5選 ① Canva Magic Design 特徴:テンプレート連携で初心者でも簡単にバナー作成使い方:ドラッグ&ドロップで要素を配置。AIが自動でレイアウト提案。価格:無料プランあり。Pro版は月額1,100円、Teams版は月額1,650円/ユーザーおすすめ用途:展示会告知バナー、ウェビナー案内、ホワイトペーパー誘導広告メリット:日本語対応、商用利用OK、チーム共有機能あり注意点:画像生成の自由度はやや低め ② DALL·E 3(ChatGPT Plus / Bing Image Creator)...
昨日「シングリックス」の2回目打ってきました!ということで、私自身の帯状疱疹との闘いと、予防ワクチン「シングリックス」を接種した体験をもとに、帯状疱疹の症状や患者数、予防法、そして助成制度について、わかりやすくご紹介します。 ◇それはそうと、帯状疱疹ってどんな病気? 帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルス(VZV)が、何十年も体内に潜伏し、免疫力が落ちたときに再活性化して発症する病気です。皮膚に赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れ、神経に沿って強い痛みを伴います。 特に50代以降に発症率が上がり、80歳までに約3人に1人がかかると言われています。しかも、治った後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という、長期間続く激しい痛みに悩まされることがあります。私もこの後遺症に苦しみ、会社に行くのもつらいほどの痛みを経験しました。 ◇50代になり、助成金が後押しとなりワクチン接種を決意! これまで何度も帯状疱疹に悩まされてきた私ですが、50代になって「予防ワクチンに助成が出る」と知り、ようやく希望が見えてきました。 ワクチンには2種類あります: 私は効果の高さと持続性を重視して「シングリックス」を選びました。2025年6月に1回目を接種し、昨日2回目を終えたばかりです。 ◇副反応は…正直、かなりキツかった! 1回目の接種後は高熱と悪寒、腕の腫れに悩まされ、まるでコロナワクチン以上の副反応。2回目も同様で、頭痛、筋肉痛、悪寒でほとんど眠れませんでした。 でも、驚いたのはその後。頻繁に出ていた帯状疱疹が、1回目の接種以降、一度も出ていないんです。あの地獄のような後神経痛を思えば、多少の副反応なんて…と思えるほどの効果でした。 ◇患者数と季節性:今まさに増える時期! 2025年の医療データによると、帯状疱疹は7月〜10月にかけて患者数が増える傾向があるそうです。夏の疲れや免疫力の低下が関係していると考えられています。 また、帯状疱疹後神経痛の発症率は年齢とともに上昇し、特に80代では最も高くなるとのこと。男女差は少ないものの、やや男性の方が高い傾向があるようです。 ◇助成制度:自治体によって異なるけど、ありがたい! 2025年4月から、65歳以上を対象に帯状疱疹ワクチンの定期接種制度が全国でスタートしました。自治体によっては50代でも助成が受けられるところがあり、私の住む地域ではシングリックスがほぼ半額で受けられました。 助成の有無や対象年齢は自治体によって異なるので、ぜひお住まいの市区町村のホームページや保健所に問い合わせてみてください。...
昨日、2025年9月26日、米国大統領ドナルド・トランプ氏は自身のSNS「Truth Social」にて、次のような投稿を行いました。 “Starting October 1st, 2025, we will be imposing a 100% Tariff on any branded or...
こんにちは。今回は、米国の最新B2Bマーケティングトレンドをもとに、広告業界の構造変化と、私自身が30年近くマーケティングの現場で感じてきた違和感、そして今後の希望についてお話ししたいと思います。 ◇「広告は売上に貢献しているのか?」という問い 私はメディア、広告代理店、制作会社でのキャリアを経て、事業会社でマーケティングに携わってきました。長年感じてきたのは、広告ベンダーの多くが「事業にコミットする姿勢」に欠けているということです。 広告キャンペーンやクリエイティブが、どれだけ売上に直結したのか?という視点が希薄で、むしろ「広告賞を取るための作品づくり」に心血を注ぐ姿勢が昔も今も目立っています。例えば、カンヌライオンズなどの受賞歴を誇る一方で、クライアントの事業成長には無関心とまでは行かないまでも、広告会社の事例は広告「作品」前面で正直それが事業にどれだけ貢献しているかには言及されておらず。もしかしたらどう言及したらわからないのかもしれない。マーケット認知が〇〇%UPみたいな云々。。。じゃないんです。結局納品したら、ありがとうございました!以上。みたいな。私に限らずクライアント側・事業会社でマーケティングや、経営戦略に携わる方で話が嚙み合わず苦々しい思いを抱いてきた人は国内外かなり多いです。(笑) ◇海外でも起きている「広告会社離れ」 このような構造的な問題は、海外、特に米国でも顕在化しています。2025年のB2BマーケティングトレンドをまとめたForbesの記事では、企業が広告代理店に求めるものが「クリエイティブ」から「成果」へと大きくシフトしていることが示されています。 特に注目すべきは、以下の3つの流れです: ◇数字が語る「広告会社の未来」 米国のB2Bマーケティングエージェンシーのベンチマークレポートによると、2025年の平均売上は1,700万ドルと前年比25.9%増となっています。一見すると好調に見えますが、これは一部の「成果にコミットできる」エージェンシーに限られた話。 実際には、以下のような課題が浮き彫りになっています: 特に、AIによるコンテンツ生成やパーソナライズが進む中で、広告会社の「人間のクリエイティブ」に頼る価値は相対的に低下しています。企業は、ROI(投資対効果)を明確に測定できるマーケティングを求めており、感性や賞レースでは評価されなくなってきているのです。 ◇「クリエイター神話」の終焉と、マーケティングの再定義 私は、いわゆる「クリエイター的な人種」が、事業に貢献できないまま自己表現に走る姿勢に、長年疑問を抱いてきましたし、未だにそこから脱却できていない50sで、そこそこ食えている人もたくさん知っているので、どうなのさあなたたち?的な話は酒の席でよくしています(友人でもあるので、喧嘩にならない程度に(笑)。 もちろん、優れたクリエイティブは人の心を動かします。しかし、それが売上やブランド価値にどうつながるのか?という問いに答えられない限り、事業会社・依頼元企業にとっては単なる「コスト」でしかありません。 AIやテクノロジーの進化によって、こうした「ひとりよがりなクリエイティブ」は淘汰されていくでしょう。むしろ、マーケティングは「顧客の課題を解決するための手段」として再定義され、事業成長に直結する活動へと進化していくのです。 ◇インハウス化がもたらす希望 ということで、事業会社でマーケティングを専門に10社以上で30年仕事をしてきて、上記の流れと”広告会社”に対する違和感の中で、私はマーケティングチームを事業貢献=売上コミットメントを宣言し、インハウス化を所属してきた各社で進めてきました。2025年の今、私はインハウスのマーケティングチームの可能性に大きな希望と手ごたえを感じています。社内にマーケティング機能を持つことで、事業戦略と営業とマーケティングが一体化し、スピードと柔軟性が格段に向上します。...
今日は中国の製薬業界に関するAI創薬の進展、新薬データ保護制度の導入、そして米中関係が製薬業界に与える影響などホットな話題をお届けします。 ◇AI創薬が本格始動、DeepSeek社が注目の的に 中国ではAIを活用した創薬が急速に進化しています。2024年の医療AI市場は約192億ドルに達し、2030年には数千億ドル規模になると予測されています。この成長の中心にいるのが、生成AI技術をオープンソース化したDeepSeek社。彼らの技術は、臨床データや遺伝子情報を活用したターゲット選定に革命をもたらしており、研究者が自由にカスタマイズできる環境を提供しています。 米国ではOpenAIが先行していましたが、中国は膨大な人口データと政府の支援を武器に、独自のAI創薬エコシステムを構築中。今後は、AIによる創薬スピードの加速とコスト削減が期待されています。 ◇新薬データ保護制度が年内施行へ 長らく議論されてきた中国の新薬データ保護制度が、ついに実現に向けて動き出しました。2025年3月、中国国家薬品監督管理局(NMPA)は「药品试验数据保护实施办法(征求意见稿)」を公表し、新薬に対して一定期間、ジェネリック薬の承認を制限する方針を示しました。 この制度は、革新的な新薬の開発を促進するための重要なステップ。特許期間の延長制度と並び、製薬企業にとっては知的財産の保護と収益確保の両面でメリットがあります。米国でも同様の制度が既に存在しており、中国がこれに追随することで、グローバルな競争力が高まると見られています。 ◇米中関係と製薬業界:緊張と依存のはざまで 米国ではトランプ政権が再び中国依存の医薬品供給に懸念を示しており、国内製造への回帰を主張しています。一部報道では、アモキシシリンの原料の約80%を中国が供給しているとの指摘もあり、米中間の医薬品サプライチェーンが政治的な緊張の火種となっています。 一方、中国国内では江蘇省が医薬品製造の中心地として台頭。売上高4億円以上の製薬企業が集中しており、技術力・生産力ともに他省を引き離しています。これは、グローバル市場における中国の存在感をさらに高める要因となっています。 ◇日本企業への影響も:アステラス社員に実刑判決 その一方で・・・中国でアステラス製薬の社員がスパイ容疑で実刑判決を受けるという衝撃的なニュースも報じられました。背景には、歴史問題を利用した中国政府のナショナリズム動員や、映画『731部隊』の大ヒットなどがあり、日本企業にとっては経済活動と安全保障の両面でリスクが高まっています。 このような状況下では、製薬業界に限らず、日中間のビジネスにおける慎重な対応が求められます。 中国の製薬業界は、AI技術の導入と政策改革によって、グローバル市場での競争力を急速に高めていますが、米中関係によるサプライチェーンの変化や、日本企業のリスク管理と対応策などによっては、その成長に影響があると考えます。
年齢を重ねると、体力の低下や筋力の衰えを感じることが増えてきますよね…でも、「もう若くないから…」とあきらめる必要はありません。むしろ、今こそ筋肉を育てて、健康寿命を延ばすチャンスです。 ここでは、器具なしでできる「自重トレーニング」を中心に、鍛えられる部位や目安の時間、期待できる効果をわかりやすくご紹介します。運動が苦手な方でも大丈夫。私もやれているので(笑)フルセットで15分くらいでできるものをまとめましたが、忙しかったり乗り気じゃない時は、私は1日1個だけローテーションで毎日5分くらいにしてやってます。というわけで、1日5分から気軽に始めてみましょう! 1. スクワット(下半身全体) スクワットは「キング・オブ・トレーニング」とも呼ばれるほど、効果が高い運動です。椅子に座るように腰を落とすだけなので、初心者でも安心。膝に不安がある方は、浅めのスクワットから始めましょう。 2. カーフレイズ(ふくらはぎ) つま先立ちになって、ゆっくりかかとを上下させるだけ。テレビを見ながらでもできるので、習慣化しやすいですよ。 3. プランク(体幹) うつ伏せになって肘とつま先で体を支えるだけ。最初は30秒でもOK。無理せず、少しずつ時間を延ばしていきましょう。 4. ウォールプッシュアップ(胸・腕) 壁に手をついて腕立て伏せをするだけなので、床に寝転ぶ必要もなく、膝や腰に負担が少ないのが魅力です。 5. シーテッドニーリフト(腹筋) 椅子に座ったまま、膝をゆっくり持ち上げるだけ。デスクワークの合間にもできるので、続けやすいですよ。...
大きなニュースが入ってきました。本日2025年9月22日、持田製薬と伊藤忠商事が、ジェネリック医薬品大手を傘下に持つアンドファーマにそれぞれ20%出資するというニュースが日経で報じられましたのを目にしました。これは単なる資本提携にとどまらず、日本の医薬品製造体制の再構築、そして商社の製薬業界への本格参入という大きな転換点を示しています。 医薬品供給の危機とジェネリックへの期待 近年、薬剤の供給不足が全国的に問題となっています。とくに後発医薬品(ジェネリック)の製造現場では、品質管理や人材不足、設備老朽化などが重なり、安定供給が困難になっているケースも少なくありません。私がかつて所属していたフランスサノフィー社と日医工がお互い出資し取り組んだ合弁会社・製造プロジェクトも、品質の課題から解消されたのが数年前。状況はあんまり好転していない体感です。 一方で、国の医療費抑制政策により、ジェネリック医薬品の使用促進はますます加速しています。厚生労働省は数量ベースで80%以上のジェネリック使用を目標に掲げ、医療機関や薬局にも積極的な導入を促しています。高齢化が進む日本では、医療費の増大が避けられず、ジェネリックの普及は財政健全化の鍵となるのです。 伊藤忠の初参入と商社の新たな役割 今回の伊藤忠によるアンドファーマへの出資は、同社にとって製薬業界初の本格的な資本参加です。伊藤忠はこれまで繊維、食品、エネルギーなど多岐にわたる分野でグローバルに展開してきましたが、医薬品分野ではサプライチェーンの知見を活かし、原料調達や物流、流通網の構築に貢献する意向を示しています。 持田製薬は研究開発力を提供し、アンドファーマの製造・品質管理体制を強化。両社の連携により、ジェネリック医薬品の安定供給体制が構築されることが期待されています。 商社による製薬業界への投資は、三井物産や三菱商事が先行しており、三井物産は武田薬品や中外製薬との協業、三菱商事はバイオベンチャーへの出資などを通じて、創薬や製造支援に積極的です。今回の伊藤忠の動きは、商社全体が医薬品分野に本格的に関与していく流れを加速させる可能性があります。 CDMO再編と創薬の未来 アンドファーマは日医工、共和薬品工業、T’sグループを傘下に持つ持株会社で、国内ジェネリック医薬品市場において大きな存在感を示しています。CDMO(医薬品受託製造開発機関)としての機能も強化されつつあり、製造受託だけでなく、製剤設計や品質保証までを担う体制が整いつつあります。 しかし、ジェネリックだけでは日本の製薬産業の未来は描けません。世界をリードする創薬力を育てるには、基礎研究から臨床開発、製造、販売までを一貫して支える体制が必要です。ここにこそ、資金力とネットワークを持つ商社の役割が問われます。 たとえば、三井物産は米国の創薬ベンチャーへの出資を通じて、革新的な治療法の開発に関与しています。また、三菱商事はAI創薬やゲノム編集技術を活用するスタートアップとの連携を進めています。こうした動きは、日本の製薬企業がグローバル市場で競争力を持つための重要な布石となるでしょう。 日本経済へのインパクトと今後の指針 医療財政のひっ迫は避けられない現実です。高齢化に伴う医療ニーズの増加、慢性疾患の増加、医療技術の高度化により、医療費は今後も右肩上がりに増加する見込みです。ジェネリック医薬品の普及はその抑制策の一つですが、同時に創薬力の強化による高付加価値医薬品の輸出も、日本経済にとって重要な柱となります。 日本はかつて「失われた30年」と呼ばれる経済停滞期を経験しましたが、今こそ製薬産業を新たな成長エンジンと位置づけ、国を挙げて支援するべき時だと私は思います。商社、製薬企業、研究機関、政府が連携し、創薬から製造、流通までを支えるエコシステムを構築することで、日本発の革新的医薬品が世界を席巻する未来も夢ではありません。 商社×製薬=新たな産業創出へ 今回の伊藤忠と持田製薬によるアンドファーマへの出資は、医薬品供給の安定化だけでなく、商社が製薬業界に本格参入する象徴的な出来事です。ジェネリックの供給体制強化とともに、創薬分野への投資が進めば、日本の製薬産業は再び世界の舞台で輝く可能性を秘めています。...
私が現在どっぷり漬かっている製薬業界ですが、これまで働いてきたIT、金融業界はもちろん、特にB2Bマーケティングの世界は2025年に入りさらに進化を遂げています。かつては展示会や営業訪問が主流だったこの領域も、今ではAI、データ分析、動画、コミュニティといったテクノロジーが中心に。今回は、海外の最新事例を交えながら、今注目すべきマーケティングテクノロジーとそのユースケースをわかりやすくご紹介します! 1. AIによるハイパーパーソナライゼーション 2025年のB2Bマーケティングで最も注目されているのが、AIを活用した「ハイパーパーソナライゼーション」です。従来の「業界別」「役職別」といったセグメントを超え、個々の購買履歴、閲覧傾向、興味関心に基づいて、リアルタイムで最適なコンテンツを届ける技術が進化しています。例えば、 このような技術により、B2Bでも「まるで自分のために作られた」ような体験が可能になっています2。 2. 動画×B2B:短尺・パーソナルが鍵 B2Cではすでに主流となっている動画マーケティングですが、2025年はB2Bでも急速に浸透中。特に「短尺」「パーソナライズ」「人間味」がキーワードです。例えば、 動画は「人間らしさ」を伝える最強ツール。B2Bでも感情に訴えるマーケティングが求められています。 3. データプライバシーとファーストパーティデータの活用 GDPRやCCPAなどの規制強化により、2025年は「ファーストパーティデータ」の重要性がさらに高まっています。つまり、自社で直接収集したデータをいかに安全に、かつ効果的に活用するかが鍵。例えば、 データの「質」と「信頼性」が、マーケティング成果を左右する時代です。 4. 自動化とワークフロー最適化 マーケティング業務の効率化も、2025年の重要テーマ。AIによる自動化は、単なる作業の代替ではなく「戦略的な時間の創出」に貢献しています。例えば、 「人間がやるべきこと」に集中できる環境づくりが、成果を生む鍵です3。...